A-City4000型
A-City 4000

A-City4000型はアデレード近郊区間で活躍する近郊型電車です。
南オーストラリア州において最初の電車として2014年に登場しました。

A-City4000型は2014-2015年にボンバルディアトランスポーテーションによって22編成が製造されました。
車両番号は4001から4022となっています。 25kVに電化されたシーフォード線に対応した車両です。

南オーストラリア州において初の電車となりました。



車体下部が膨らんだ卵形の形状で、ビクトリア州のVLocity160の車体を基に設計されました。
中長距離運用が中心のVLocity160とは異なり、トイレや荷物棚の省略、乗降扉の変更、そして駆動方式 が液体式ディーゼルエンジンからVVVFインバータ制御の電気モーターになりました。

画像上
基となったVLocity160

画像下
VLocity160のデザインを受け継いだA-city4000型


前面のLED式行先表示機。
南オーストラリア州の近郊列車では初採用です。
(トラムには前例あり)



車体側面のLED式行き先表示機。

従来の車両には車外では行先表示が無く、車内のLEDでしか行き先を確認できませんでした。
A-City4000は中間車両の側面に1箇所LEDが設置されました。
日本の場合は各車両に設置してあることが多い側面の行き先表示機ですが、1編成の片面当たり1箇所 は少し寂しく感じてしまいます。
しかし、そもそも何も無かったのと1つ設置されたのでは大きな違いです。

各先頭車両に設置されていないのは、先頭車両なら前面にある行き先表示で十分と判断したのかもしれません


シングルアームパンタグラフを一基搭載しています。 25kVに電化されたシーフォード線、支線のトンズリー線を走行します。


車両間はアデレード近郊列車において初めて幌が付きました。
これにより旅客はいつでも自由に車両間を行き来することができます。

3両1編成で固定となっているため、車両間は半永久固定の連結器で繋がっているようです。


乗降扉。
南オーストラリア州初となるプラグドア式が採用されました。


扉は押しボタンによる半自動となっています。


車内。
2+2の集団見合い式クロスシートが並んでいます。

従来の車両は3+2のクロスシートが主流だったため、通路が広く感じます。

天井にある黒い物体は監視カメラです。


扉付近はロングシートとなっており、車両中央よりは優先席に割り当てられています。


扉付近の車端部寄りのロングシートは一般席となっています。


扉付近にIC乗車券メトロカードをタッチするリーダーが4つ設置されています。


車内の乗車券リーダー。
紙の切符のメトロチケットは上部の差込口に挿入して改札します。
メトロチケットは図のように磁気コードがある反対側をこちらに向けた状態で入れます。 IC乗車券のメトロカードはタッチすることで改札となります。
なおタッチは日本より反応がワンテンポ遅れのような印象でした。


シーフォード方面運転席側の妻面。
アデレードの近郊列車は前面展望ができる車両ばかりでしたが、ついにA-City4000型から壁になって しまいました。
上部にはLED式車内案内表示機が設置されています。

片側1列は車椅子スペースとなっています。


運転席背後に設置された車椅子スペース。
アデレード近郊の車椅子の扱いは運転士が渡り板を敷くため、車椅子の人は必ず先頭車両で乗降することになります。


車椅子スペースに設置された緊急時乗務員直通ダイヤル。


アデレード方面運転席側の妻面。

反対側と同じく前面展望はできません。

上部にはLED式車内案内表示機が設置されています。


車内の券売機。
タッチパネル式で、2時間券から1日券まで全てのメトロチケット(紙)の券種が購入できるようです。

車内に券売機があると不正乗車の抜け道になりそうですが、殆どの利用者が自動改札機のあるアデレードで乗降するため 大丈夫なようです。なお、職員や警察による車内巡回も不定期に行われています。


つり革。
扉周辺のみに設置されています。
形は日本では見かけない形です。
シルエットがクレヨンしんちゃんに似ているような!?


車両間通路。
扉は無く、自由に行き来することができます。
通路上部にはLED式車内案内表示機が設置されています。


乗降扉。
押しボタン式となっており、ボタンは扉についています。


ドアは自動で閉まります。


鉄道の押しボタン式の扉といえば押しボタンが有効なときにのみボタン操作ができ、その他のときは一切 反応しないことが殆どだと思われますが、A-City4000型はボタン操作の効かない走行中にボタンを 押せば色が変わり、そのドアは停車した際に何も操作をしなくても扉が開きます。

そのため、停車が近づくと降りたい旅客がボタンを連打する光景はみられません。
このように扉を開ける「予約」ができるタイプは珍しいのではないでしょうか!?


押しボタンを押さなければドアは開きません。


扉上部の注意事項一覧。
左から順に
・禁煙
・監視カメラ作動中
・飲食禁止
・飲酒禁止 罰金対象!

・ドアチャイムが鳴ったらドアが閉まります。
・扉を開けること。
・手荷物かは離れない
・座席に足を乗せない


車内にある路線図。
右下に伸びているのがA-City4000型が運行されているシーフォード線です。



A-City4000型はシーフォード線電化の際に新設されたシーフォード車庫に所属しています。

シーフォード線と支線であるトンズリー線の運用車両がシーフォードに移転し、 従来の気動車はドライクリーク駅近くに新たに車庫を建設したため、アデレード駅西側の気動車車両基地 は廃止されました。


シーフォード駅からノアールンガまでの車窓動画。
発車後すぐにシーフォード車庫が見えます。


以前のアデレード駅西気動車車両基地の跡地にはメディカルセンターが建てられました。


かつての気動車車両基地があったメディカルセンター付近を走行するA-City4000型



ドライクリーク車庫に留置されたA-City4000型。
ドライクリーク周辺は非電化ですが、重要な検査はシーフォードではなくドライクリークで行うようです。
そのため、タイミングが良ければ架線のないドライクリークでも3000型気動車との並びを見ることができます。

ドライクリーク周辺は貨物の取り扱いなど広大な敷地が広がっているため、車両の搬入もドライクリークで行っているかもしれません。


ドライクリーク車庫にて3000型気動車と連結するA-City4000型。

ドライクリーク周辺は非電化のため、入換えや牽引のために連結しているようです。



対イベント臨時輸送のロゴとなったA-City4000型。


ベルエアー線とアンダークロスするA-City4000型。
シーフォード線では唯一のトンネルです。


駅を発車するA-City4000型。
この駅がシーフォード線の支線のトンズリー線が分岐駅となります。
ただ、実際に線路が分岐するのは次の駅直前となります。


駅に入線するA-City4000型


アデレード駅で3000型気動車と並ぶA-City4000型。


グッドウッド駅で3000型気動車と並ぶA-City4000型。
上の高架はグレネルグトラムです。
なおグッドウッド駅はシーフォード線、トンズリー線、ベルエアー線と乗換えできるものの、グレネルグトラムには直接 繋がった停留場は設置されていません。


グッドウッド駅に入線、発車、通過するA-City4000型


走行中に室内灯が停電してしまったA-City4000型。

乗務員の手によって復帰しました。


アデレード駅を発車するA-City4000型。




終点のシーフォード駅に到着したA-City4000型。
この駅ではバスとの対面乗り換え構造に改造され、新型車両 A-City4000型と共にアデレードにおけるメトロネットワークの強化に貢献しています。


---PR---


TOP