オーストラリア・ニュージーランドの鉄道を紹介します!
AUandNZ Railfan
Australia and New Zealand Railfan
メルボルン シティサークル
Melbourne City Circle
非冷房の旧型車が専用に当てられており、レトロなトラムでお得に観光をすることができます。
シティサークルは一周約60分の環状運転をしている35番系統の路線を走行します。
本数は両方向ともに12分ごとで、運行時間は午前9時から21時までとなっております。
この手の観光路線は夜が早いことが多いですが、シティサークルは夜まで乗車することができます。
シティサークルはワインレッドの特別装飾が施されたWクラスが充当されます。
Wクラスは1923-1956年に752両が製造されました。
メーカーはメルボルン アンド メトロポリタントラムウェイズ ボード。
現在は38両がメルボルンのトラムネットワークで活躍しています。
12両がシティサークルで活躍し、3両はレストランカーとして使用されています。
公共交通としての収益サービスに当たる一般路線からは2014年頃に全て引退しました。
車両は全てサウスバンクの車庫に所属しています。
Wクラスの歴史は、新しい標準的な路面電車車両として1923年から始まりました。
33年の間にW-W8までの9タイプが製造されました。
約60年間、メルボルンの路面電車の主力として活躍しました。
そのため、オーストラリアで人気の高い路面電車の1つとなっています。
Wはの1923-1926年の間に200両が製造されました。
座席定員は52名、立席93名で設計されました。
1928-1933年に全ての車両が改造されW2sに変わりました。
No.380は遺産車両として1988年に登場当初の状態に戻されました。
(画像は本文とは関係ないWクラスのシティサークル)
W1は1925-1928年に30両が製造されました。
W1は他のWクラスと異なる座席配置となっていました。
車両中央に初期のケーブルカーのような開口部があり、乗客の乗降時間の
短縮を図りました。
しかしカーテンで仕切られただけのローラーブラインドドアは
寒さや雨天の中での車内環境の低下を招きました。
(画像は本文とは関係ないWクラスのシティサークル)
W2/SW2は1927年から導入され、1987年ごろのWクラス定期運用引退まで活躍しました。
406両が製造され、メルボルンの路面電車において最大勢力となりました。
車両中央に床の高さが1段下がったサルーンを有し、木製のベンチシートが配置されました。
木製ベンチは乗り心地が悪かったものの、長らくの間メルボルンの
路面電車の特徴として親しまれていました。
ローラーブラインドドアを採用していたW1クラスは引き戸に改造の上、SWクラスとして改番されました。
W2の引退が迫った1980年代は路面電車の路線延長が相次いだため、車両不足による応援が多かったようです。
1981年にW2 No.442がルート93から撤退したことにより、定期運用から引退しました。
(画像は本文とは関係ないWクラスのシティサークル)
W3クラスは1930-1934年に製造されました。
W3はWクラスで初めて全てのフレームに金属(スチール)を採用しました。(それまでは一部木製)
また、従来よりも大きい直径33インチの車輪を採用したことで、乗り心地が向上しました。
車輪が大きくなったことで床の高さも上がり、車内中央のサルーンへの
段差を減らすために床に傾斜が付けられました。
1969年に全ての車両が引退しました。
(画像は本文とは関係ないWクラスのシティサークル)
W4は1933-1935年に5両が製造されました。
幅広の車体になり、サルーンのスペースも拡大しました。
ボディが広いためにドライバーは旅客がステップをはみ出さないか確認
するのが難しかったそうです。
(画像は本文とは関係ないWクラスのシティサークル)
CW5/W5/SW5クラス
SW5は1939-1941年に導入され、現在も定期外の運用に
使用されています。
No.681-685の5両は古いCクラスから改造され、CW5
クラスに改番され、その後W5となりました。
No.686-719も同様の改造が予定されていましたが、中止となりました。
SW5はW5から引き戸や座席、窓などを改造したもので、1956年に登場しました。
1983-1986年の間に83両がSW5に改造されました。
また、10両のSW5が新造されました。
1994-1996年の間にWクラスが一斉に引退しましたが、W5はコントローラに
アスベストを使用していたため優先して引退
しました。
2両がシティーサークルで活躍しています。
W6/SW6クラス
W6は1939年に導入され、1951-1955年にSW6クラスが続きました。
150両が製造され、W6クラスは滑らかで速い加速力が乗客や乗務員に人気でした。
運転台周りは他のWクラスと同じですが、車内のサルーンに木の座席を使用したものが初期の40両、その他はバスと同様の座席となりました。
SW6はW6と違い、車輪やギアの防音処理が施されました。
26両がヤラトラムに在籍し、内3両はレストランカーとして運用されています。
画像はシティサークルで活躍するW6 No.1000
W7クラス
W7クラスは新規路線開業に伴う車両増備のため、1955-1956年に製造されました。
本来は70両のW7が製造される予定でしたが、政権交代による方針の変更で
40両までの増備に抑えられました。
9両がヤラトラムに所属しています。
画像はシティサークルとして活躍するW7No.1010
W8クラス
SW6クラスの体質改善工事によって誕生したのがW8クラスです。
SW6 No.922を1993年に改造したのが始まりでしたが、数両が改造されただけでした。
主な変更点はエアコンや車内ディスプレイの設置、車内の照明、
ヘッド、テールライトとパンタグラグの交換が行われました。
No922はW8のプロトタイプということで、以降の車両はさらにモーターの
制動改善による乗り心地の向上や、LED照明の設置が追加されました。
しかしW8に改造されたのは946と957の2両のみで、どちらもヤラトラムで
活躍しています。
画像はシティサークルで活躍するW8 No.957
Aクラスとすれ違うシティサークル。
背後にある高架には近郊列車メトロが行き交います。
メルボルンの街中を走るシティサークル。
交通量の多い賑やかな通りを走るシティサークル。
緑地帯を通過するシティサークル。
セントポール大聖堂の前を通過するシティサークル。
メルボルンを訪れたらレトロで便利なシティサークルでの街並み散策は外せません。
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