オーストラリア・ニュージーランドの鉄道を紹介します!
AUandNZ Railfan
Australia and New Zealand Railfan
C set
タンガラプロジェクトの大幅な遅れにより、急遽製造が決定された車両です。
Tsetタンガラに導入するチョッパ制御装置をいち早く搭載したことが災いし保守部品の調達が難しくなったことから 2021年2月で全編成が引退することとなりました。
シドニー近郊列車においては、冷房搭載車両初の形式消滅となります。
1986年に運行開始。新型車両タンガラ導入プロジェクトの遅れのため、車両確保の臨時処置として
製造されました。
製造はGoninan
4両1ユニットで52両が稼動していました。
同車種以外の併結運用は制御装置の連携が難しく、乗り心地の問題から実施されませんでした。
Csetのチョッパ制御のデータは、2年後に導入されたタンガラ及びVset後期車に大きく活用されたようです。
車両は全て2階建て。
編成は
制御動力車+付随車+付随車+制御動力車=クモハ+サハ+サハ+クモハ となっております。
座席定員は104+115+115+104=438人です。
制御動力車は52トンあり、シドニー近郊列車では一番重い車両です。
車両正面はFRPにより車両下部から天井にかけて弧を描くように出っ張る特徴的なデザインが採用されました。
Ksetの切り妻型と異なり
差別化を図っています。
Kset(左)と並ぶCset(右)
無機質で無骨なKsetに対し、Csetは丸みがどこか優し気な印象です。
車両は従来の2階建て構造と同じく、扉間が2階建て、車両端部が平屋となっています。
大型の両開き式自動ドアを備えてます。
乗務員室の扉は丸窓となっており、これもシドニーの伝統的なデザインです。
Cset以降、Tsetタンガラより新しい電車は根本的に車両構造が変更となり、このような丸窓は
見られなくなりました。
行先表示は当初ありませんでしたが、後に大型の磁気反転式の行先表示が設置されました。
行先と経由駅が表示されます。
表示は左寄せで、たまに表示がされてなかったりバックライトが点灯していないこともあります。
車内(2階)
3+2の集団離反式固定クロスシートが並んでいます。
シドニーで初採用となった座席転換のできない固定式クロスシートは利用客からの不満が噴出しました。
それほどまでに、シドニーにおいては進行方向を向いて座ることが重要視されていました。
本来CsetはTsetタンガラが予定通りに導入されていれば存在しなかった車両ですが、結果的にこの座席が
初採用となってしまったためか人気がありません。
遅れて登場したTsetタンガラも予定通りCsetと同じ座席となり、その点は評判がよくありません。
しかしTsetタンガラは斬新な外観デザインと固定式クロスシートは導入が2例目ということもあってか、
Csetとは違いシドニーを代表する車両となっています。
2階端部の階段付近。
デットスペースを活用したミニ座席はシドニーのすべての2階建て車両に存在します。
Csetは座席配置が集団離反式のため、この部分が唯一のボックスシートとなっています。
車内(1階)
こちらも2階同様に3+2の集団離反式固定クロスシートが並んでいます。
1階端部の階段付近。
こちらも2階同様にデットスペースを活用したミニ座席があります。
この一人掛け座席は体格の良いオーストラリア人には相当きつそうに思えます。
車内(デッキ)
車内に入るとすぐに、車両中央へ向かう階段があります。
デッキは従来の車両と同じくそれなりにスペースがあるため、短時間しか乗車しない人はデッキに留まる
こともできます。
車内(平屋部分)
車内平屋部分デッキはロングシートとなっています。
つり革はありませんが、スタンションポールが3本設置されています。
網棚はありません。
妻面部分に窓があるのが、ひと昔前の車両といった雰囲気を醸し出しています。
また、隣の車両へは原則移動できないとこになってます。
(幌が設置されていないためだと思われます)
先頭車両中間化改造車両デッキ
先頭車両を中間化のした車内では乗務員室が半室化されて残っています。
車内半分はロングシートとなっています。
マクドナルドタウンの電留線に入庫するCset。
下り電車の2階席から撮影。
マクドナルドタウンの電留線に留置された個性豊かなシドニーの車両群。
左から順にSset、Asetワラタ、Sset、Cset、Sset、Sset。
現在この画像の車両はAsetワラタ以外の全てが引退してしまいました。
シドニーの3複線区間を走るCset。
夕日を浴びて光り輝いています。
Kset(右)と離合するCset(左)
シドニー初の冷房搭載車両Ksetと、後継のチョッパ制御となったCset。
引退はKsetが先に思われていましたが、電装部品の調達に手間取るCsetが先に引退となってしまいました。
セントラル駅西側にて離合するCset。
架線柱が乱立して見難いですが、編成数の少ないCset同士の貴重な離合シーンです。
さらに後ろにはVsetの姿も確認できます。
Csetの編成写真。
またしても架線柱が多くて見難い写真ですが、4+4の8両編成が収まっています。
新型車両Aセットワラタに囲まれ、肩身の狭いCset。
Asetは非冷房のSsetを一部置き換えましたが、後に改良型のBsetが投入されたとこによりSsetもろともCset
も全て置き換えられてしましました。
ちなみにこの撮影場所であるホステルもシドニーライトレールL1ダリッジヒル線の建設に伴い解体され、
現在はこのアングルを公式に撮影できる場所はありません。
歴史あるミュージアム駅に入線、発車するCset。
いつか4K映像で記録したいと思っていましたが、引退はあまりに突然でした。
2017年のシドニーセントラル駅夕方ラッシュアワー定点映像。
Csetを含め、当時はシドニーの全ての車両を記録することができました。
なお、現在は地下にシドニーメトロが延伸の建設中です。
上記のセントラル駅夕方ラッシュアワーの6倍速早回し映像。
忙しい方はこちらを・・・
デビューから僅か2年後に第三世代電車タンガラが登場したことによって、あまり世間から注目されずに引退を迎えてしまったCset。
しかしCsetでのチョッパ制御のデータがシティレールの技術向上に大きく貢献した立役者であることに違いは無いでしょう。
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