EL477

マドリード地下鉄とメトロリヘーロの乗換駅であるチャマルティン駅。
この駅の地下ロビーにはかつてマドリードで活躍した路面電車EL477が保存されています。

マドリードの路面電車は1878年に路面蒸気車が導入され、1898年に電化、1972年6月に廃止になりました。
このEL477は廃止まで活躍した貴重な車両です。


単車の台車が特徴的なEL477は1965年公開の映画「ドクトル・ジバゴ」にも使用されたといわれています。
「ドクトル・ジバゴ」では序盤に(舞台設定の)モスクワの街並みをトラムが走り、遠くに赤の広場に似た聖堂が見えますが、これはマドリード郊外に作られた巨大なセットだそうです。
この映像に使用されたのがEL477。そして路面電車全廃後に転々と保管場所を変え、最終的にチャマルティン駅に保存されました。
左の看板に「ドクトル・ジバゴ」で使用された車両だと記されています。


マドリードの路面電車はいくつかの映画の舞台装置に登場し、作品の雰囲気に合わせて車両番号を含めた塗装まで変更されました。
その中でEL477は車体番号は本物ですが、実際にドクトル・ジバゴには出演していないとも言われています。
台車の微妙な差異を判断材料とし、ドクトル・ジバゴに登場したのは503ではないかとも言われているそうです。

このEL477は1995年に修理工事が施され、台車にも手が加えられたことから、単純に映画の映像と比較しただけでは 真相がわからなくなっています。


運転台も残されています。


運転席と客席はデッキで仕切られています。


車内の照明は裸電球を3本させるダウンライトのようなものとなっています。




チャマルティン駅のシンボルとなっているEL477。
この車両が「ドクトル・ジバゴ」に出演していたか否かにかかわらず、EL477という車両が廃棄されずに保存されたことは幸運であったことでしょう。


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