オーストラリア・ニュージーランドの鉄道を紹介します!
AUandNZ Railfan
Australia and New Zealand Railfan
インディアンパシフィック
Indian Pacific
太平洋岸に位置するシドニーからインド洋に面したパースまで全長3961キロを結び、
中でもグレートビクトリア砂漠の南に位置するナラボー平原を走る直線(478キロ)は世界一長い直線として有名。
トランスコンティネンタル鉄道とも言う。
オーストラリアの鉄道は各州が独自の規格で敷設を始めたために軌間が異なっていたが、
1969年にシドニーからパースまでの大陸横断鉄道が標準軌に統一されました。
これを機に1970年2月23日より運行を開始したのがインディアンパシフィックです。
シドニーからパースまでは3泊4日(約67時間)を要し、週1-2往復の運転です。
1975年頃はアデレードを経由しない短縮ルートで75時間を要していましたが、機関車の更新や運用の効率化で現在の時間まで短縮されました。
牽引する機関車はNRクラスという最高速度115kmの電気式ディーゼル機関車が牽引します。
片運転台なので前後で顔が違います。
NRクラスは119両が稼動していますが、インディアンパシフィックの装飾が施されているのは5両です。
(NR18, NR25-NR28)
<ゴールドサービス>
全て個室寝台車で、シングル、ツインの部屋があります。
食事は運賃に含まれ、洗顔セット、ドライヤー、オーディオ・サービスなどが用意されていまする。
各部屋にはコンセントが用意されています。
なおレストランやラウンジもゴールドサービス専用に用意され、、レッドサービスとは別々になっています。
客室内にシャワールームのある個室はプラチナサービスに設定が変わりました。
<レッドサービス>
座席車です。洗面所・シャワーは各車輌に設置されています。
かつてはツイン寝台の設定もありましたが、寝台はゴールドサービスに吸収されました。
座席車両にはコンセントはありませんが、ラウンジで充電することができます。
なおレストランやラウンジもレッドサービス専用に用意され、ゴールドサービスとは別々になっています。
※インディアンパシフィックにおける座席サービスは廃止となりました。
<サー・ジョン・フォレスト>
こちらは1両貸切のプライベート車両です。
部屋の構成は、
・ラウンジ(革張りのソファー)
・会議室(12名までで大きな画面のTVを使いプレゼンテーション等もできます)
・バー
・大画面のTV・VIDEO・DVD
寝室はダブルベットルームが1部屋、ツインルームが2部屋で2段ベットになっており3人まで座れるソファーがあります。
どの部屋にもシャワールーム付きとなっております。
サージョンフォレスト車両をご利用の利用客は、ゴールドサービスの利用客と一緒に鉄道レストランを無料で利用、
もしくは自身で作ることも出来る他、シェフを鉄道会社の方で派遣することも可能。(その場合追加料金がかかります。)
部屋の構成 1(DBL), 2(TWN) 合計 6名
料金はシドニー~パース全区間利用の場合、日本円でおおよそ150万円ほどです。
まさに超豪華寝台列車と言えますね!
<モータルサービス>
自家用車の運搬も可能です。
日本では見れなくなった自動車運搬貨車も現役です。
シドニーセントラル駅に入線。
多客時には編成が長すぎるため分割してホームに入れることもあるようです。
長旅に備えて給水します。
機関車の入れ替え作業を行います。
プラットホームが整備されていない駅で乗降できるよう、客車のドア下にステップが備えられています。
インディアンパシフィックと並ぶエクスプローラー。
インディアンパシフィック乗車記 シドニー → アデレード
シドニーセントラル駅に入線したインディアンパシフィック
ホームでチェックイン。
発車1時間前には乗車手続きが必要です。
今回はレッドサービス座席を利用しました。
※インディアンパシフィックの座席サービスは現在廃止されています。
座席の間隔はかなり広く、リクライニングもかなり倒れます。
なお、毛布等は自分で用意する必要があります。
レッドサービス座席車の見取図です。
車端部にシャワーが備え付けられています。
利用は無料で、時間も消灯までいつでも利用できます。
こちらはラウンジの見取図です。
ビュッフェでは食事や飲み物、オリジナルグッズを購入することができます。
ラウンジは特に何か購入しなくても利用することができるので、車内で知り合った人と談笑したり、モバイル機器の充電もできます。
車内の写真は取り忘れました。
シドニー郊外を過ぎると、観光名所であるブルーマウンテンを望むことができます。
リスゴー駅を出発
廃車と思われる客車が留置されていた。
ウォレラワン駅近く、原子力発電所のように見えるこの施設はニューサウスウェールズの政府によって所有されるDelta Electricityという
オーストラリアの発電会社で、主に石炭の熱を活用する技術を持っています。
旧線跡のような橋。
高原地帯をひた走ります。
恐らく野生のカンガルーです。
動いている車内からの撮影はなかなか難しいもので、明瞭な写真は撮れませんでした。
撮影はできたものの、なんだか未確認生物の写真みたいになってしまいました。
カーブに差し掛かると、先頭部を望むこともできます。
長編製ならではの光景です。
オージービーフでしょうか!?
沿線には牧場がいくつもありました。
S字カーブを通過中。
翌朝、ニューサウスウェールズ州最後の駅、ブロークンヒルに到着しました。
この駅で90分ほど停車し、希望者には停車時間を利用したオプショナルツアーに参加することができます。
ブロークンヒルは州都シドニーから約1160km離れていることもあり、
経済的には南西500kmあまりに位置するアデレードとの結びつきが強く、
時間帯も南オーストラリア州と同じUTC+9:30を使用しています。
そのため、発車時刻には要注意です。
時計を現地時刻に合わせ、発車時刻を乗務員に確認しておくと良いと思われます。
シドニーからの定期列車は週1往復のエクスプローラーがブロークンヒル終点なので、
ブロークンヒルより西へ行く旅客列車はインディアンパシフィックのみとなります。
ホームではお土産の販売が行われていました。
ブロークンヒルはアウトバックにある鉱業都市。
かつて世界最大の埋蔵量を誇った銀・亜鉛・鉛鉱床を背景に栄華を極めましたが、掘削の容易な鉱脈は掘り尽くしてしまい、
鉱業は1952年をピークに衰退を続けているため、現在は観光や農業、文化活動等の振興に力を入れています。
ブロークンヒル駅舎
1888年にはアデレードからの狭軌鉄道が早くもブロークンヒルに達しました。
当初は南オーストラリア州州立鉄道として計画されましたが、ニューサウスウェールズ州の反対により
、州境から東側は私鉄シルバートントラムウェイ(Silverton Tramway)として建設されました。
シドニーからの標準軌鉄道がこの街に達したのは1927年のことでした。
ブロークンヒルからポートピリーまでの区間は最後まで狭軌区間として残っていたが、1969年に改軌され、
シドニーからパースまでの大陸横断鉄道が標準軌に統一されました。
ブロークンヒルの街並み。
駅から500メートルに位置するSulphide Street Railway Historical Museumという場所には、
シルバーシティコメットと呼ばれる気動車が保存されています。
(この時はその存在を知らなかったので訪問できませんでした)
シルバーシティコメットは1937年から1989年までの間、シドニーとブロークンヒルの間を走っていました。
この車両はニューサウスウェールズ州のサールミア鉄道博物館とドリゴ鉄道博物館(こちらは施設自体非公開)にも保存されています。
線路のすぐ脇に大きなボタ山があり、観光地となっています。
頂上からはブロークンヒルの街並みを望むことができるでしょう。
停車時間内に頂上まで徒歩で往復してきた乗客も何人かみえました。
発車を待つインディアンパシフィック。
朝日に照らされるインディアンパシフィック。
始発であるシドニー方面を望む。
ブロークンヒルを出てすぐ、機関車の廃車体が何両か留置されているのが確認できました。
野生のエミューが見えました。
アウトバックらしい、赤茶色の大地を行く。
羊の群れ。
前日の高原とは全く異なる車窓に、長い乗車時間も退屈しません。
トレーラーとしばらく並走しました。
ピーターバラという街で扇状車庫が見えました。
ここはスチームタウンヘリテージセンター(Steamtown Heritage Rail Centre)で、機関車、客車、扇状車庫、ターンテーブルが保存されています。
ここにあるターンテーブルは狭軌、標準軌、広軌の3ゲージに対応した珍しいものです。
一般の見学も受け付けています。
日中のツアーの他にナイトツアーがあり、ナイトツアーでは光と音の演出が楽しめるサウンドandライトショーが行われます。
機会があれば是非とも立ち寄りたいところです。
どこまでも続く地平線…
アデレードにだいぶ近づいてきたところで、機関車や客車が保存?されている地帯を通過します。
クイーンズランドレールのマークがある客車も確認できるので、全国からの車両が集められているのでしょうか!?
アデレードメトロのドライクリーク駅から近郊列車と平行して走ります。
南オーストラリア州の鉄道は広軌のため、州を跨ぐ列車と線路を共用することはありません。
貨物駅には、広大なオーストラリアを象徴するような2階建て貨物列車が並んでいました。
また、自動車運搬用の貨車は3段構造で車を積むことができます。
なんともスケールが大きい!!!日本では考えられないことです。
可愛らしい構内入換機関車と貨物の控車?。
NRクラスのオリジナル塗装
が並んでいました。
アデレードの市街地と近郊列車の車庫を横目に、インディアンパシフィックは街からやや離れた
アデレードパークランズターミナル駅(地名であるケスウィック駅とも呼ばれる)へ向かいます。
市街地にあるアデレード駅は頭端式でホームが短いこともあり、入線できないようです。
(かつて市長選でインディアンパシフィックをアデレード駅に乗り入れさせることを公約に掲げた候補者がいたようです)
アデレードパークランズターミナル駅に到着しました。
車内清掃が行われるので、全員下車します。
希望者にはオプショナルツアーも実施されます。
この駅で進行方向が変わります。入換用の機関車が連結されてました。
この機関車も片運転台なので、前後で顔が違います。
駅舎内の様子です。
受付の他に軽食やお土産の販売もあります。
インディアンパシフィックのロゴとなっているオナガイヌワシの像が鎮座しています。
駅舎の外観です。
駐車場も広く、完全に観光仕様となっています。
先頭の機関車が切り離されました。
ホームは片面1線と島式2線となっています。
この駅始発のザ・ガンの客車が留置されていました。
グレートサザンレールの列車が全て発着するため、構内はとても広いです。
いずれはインディアンパシフィック、ザ・ガン、オーバーランドの完全乗車をいつか果たしたいです。
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