オーストラリア・ニュージーランドの鉄道を紹介します!
AUandNZ Railfan
Australia and New Zealand Railfan
シルバーストリーム鉄道
Silver Stream Railway
ウットバレー線の旧線を利用して蒸気機関車などの動態保存が行われています。
1875年12月に開通したウットバレー線は1954年11月21日に路線切り替えを行いました。
それから使用されなくなった線路の一部(1.5km)を利用し、1986年にシルバーストリーム鉄道として開業しました。
運行は基本的に日曜日に行われます。
シルバーストリーム駅から徒歩圏内なので、ウェリントンから気軽に蒸気機関車に乗ることができます。
SLが入線してきました。
シルバーストリーム鉄道は駅から1.5km離れた線路終端まで走り、再び同じ線路を通って始発駅に戻るスタイルです。
日本の多くの保存鉄道と同じ方式です。
線路終端にはターンテーブルが無いため、機関車はバック走行で始発駅に戻ってきます。
この日はL509 蒸気機関車が牽引を担当していました。
Aa1601+Aa1235+L509の3両編成でした。
L509は1877年にイングランドで製造され、1888年にウェリントンに来ました。
Aa1235客車
オープンデッキのある木製の客車です。
1912年にウェリントンで製造され、当初車内にあったトイレを1922年に撤去し、定員46人の現在の座席配置になりました。
1975年までウェリントン近郊輸送で活躍した後、シルバーストリーム鉄道に寄贈されました。
Aa1601とそっくりです。
Aa1601車内
座席は革張りの転換クロスシートです。
座席以外の雰囲気は日本の旧型客車と雰囲気がそっくりです。
Aa1601は1925年にオークランドで1等車両として製造されました。
デッキと客室の扉は普通のドアです。
ドアの幅の関係で妻面に面しているボックスシートは定員が1人少ないです。
照明は電球が2本、一つの照明の中に収められています。
駅を発車
左手に見えるのは車庫です。
車庫を過ぎると、いくつかディーゼル機関車が留置されているのが見えました。
線路の脇には貨車や機関車の一部が置かれていました。
1.5km走り、線路終端部に到着しました。
ここで機関車を前から後ろに繋ぎかえるため、しばらく停車します。
側線を通り、客車の反対側に回ってきたL509
連結のため客車にゆっくりと接近します。
連結を終え、始発駅までバック走行で戻ってきました。
折り返しのため、機関車は切り離され側線に引き上げました。
再び客車先頭に立つL509
駅全景
片面ホームと機回しの側線を有しています。
希望者に対し随時車庫見学ツアーが行われました。
ED101電気機関車
非電化のシルバーストリーム鉄道では走行することはできませんが、大切に保管されています。
大きなヘッドライトが特徴です。
1938年に運行開始、1981年3月に引退しました。
10両製造されたうち、シルバーストリーム鉄道と南島クライストチャーチ近郊のフェリーミード鉄道にそれぞれ1両づつ保存されています。
組み立て中のプラモデルのような機関車。
Ka935 蒸気機関車
1941年10月に運行開始、1967年12月に引退しました。
NZR KA classは35両が製造され、シルバーストリーム鉄道の1両を含め3両が保存されています。
C847 蒸気機関車
こちらは後ろ側です。
C847は1930年10月にダニーデンで製造されました。
NZR C class は24両が製造され、1968年10月に引退しました。
2両が保存され、C864 は南島クライストチャーチ近郊のフェリーミード鉄道に保存されています。
C847(左)とFowler16342(右)
Fowler16342 は1925年にイングランドで製造されました。
ネイピアの湾岸専用線で活躍したため、Napier Harbour Board No.5 とも呼ばれています。
DE508とDE505(奥)
1954年3月に運行を開始、1989年1月に引退しました。
製造はイギリスのイングリッシュエレクトリック、最高速度は97kmでした。
15両が製造され、7両が保存されています。
他にもニュージーランドでは珍しい気動車も保存され、運転日には実際に乗車することができます。
子供の日など特別な日や祝日を狙えば気動車(左下)に乗車することができそうです。
この気動車はRM30という1938年製のものです。
ホームには車両のボックスシートがベンチの代わりに置かれていました。
ボックスシートにはニュージーランド国鉄のマーク(NZR)が刻印されています。
シルバーストリーム鉄道は駅が一つですが、折り返しとなる線路終端の方がウェリントンへ帰るシルバーストリーム駅に近いため、終端部分でおろしてもらえることになりました。
線路終端部分でL509を撮影
駅周辺はあまり引いた構図が撮れないので、貴重な横からのカットです。
機関車を前後入れ替えるため、一旦客車だけ留置されます。
側線を通り、客車の横を抜けていくL509
転線し、客車と連結するためにゆっくり前進するL509
機関車の付け替えが完了し、始発駅に向けて発車していきました。
シルバーストリーム鉄道の旧線に対し、現在線は複線の鉄橋でウット川を渡っています。
なお旧線の鉄橋は見当たらなかったので、撤去されたと思われます。
この現在線の鉄橋と並行して道路があり、その歩道を通りシルバースチーム鉄道に行くことができます。
この道ですが、自動車の制限速度がなんと100km!
歩道で分離されているとはいえ猛スピードで横を車が通過していきます。
シルバーストリーム駅付近で見かけた古いバス。
日曜日は蒸気機関車に気軽に乗車できるシルバーストリーム鉄道がお勧めです。
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