オーストラリア・ニュージーランドの鉄道を紹介します!
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Australia and New Zealand Railfan
シドニーメトロ メトロポリスTS set
Sydney Metro Alstom Metropolis TS set
シドニーメトロは、ニューサウスウェールズ州シドニーで運行している完全に自動化された高速輸送システムです。
2019年5月26日に開業した1つの路線で構成されており、タラウォンからチャッツウッドまで運行しており、13の駅と36 kmの複線で構成されています。
この路線をチャッツウッドからバンクスタウンまで延長する作業が進行中で、シドニーハーバーとシドニーの中央ビジネス地区の地下を通り、2024年に完成予定。
計画通りに進めば、この路線は総延長66 km、と31の駅が完成します。
追加の24 kmはシドニーメトロウエストの一部として計画され、23 kmはウエスタンシドニー空港ラインの一部として計画されています。
なので、シドニーメトロとしては、現時点では暫定開業といえるでしょう。
車両は、アルストム製のAlstom Metropolis TS setsが採用されました。
2階建て車両が当たり前だったシドニーにおいて、2階建てではないメトロ車両は座席数が大幅に減少することから、かなりの反対意見があったようです。
ちなみに、シドニーの電車は1964年から2階建て電車のみを投入し続けていましたが、この車両がデビューしたことによって、
1958年に登場したUセット以降、61年ぶりに新造された1階建て電車となります。
なお、シドニー寄りのチャッツウッド~エピングは既存の鉄道線として先行開業しており、その際は通常の2階建て車両が運用されていました。
本来はこの一般鉄道路線を延長させるはずでしたが、延伸部分のコストパフォーマンスやメンテナンス性を考慮し、2階建て車両を使用しない、全く新しいシステムで
路線を延長させることに決まりました。
それは既存の路線との直通ができなくなることも意味し、多数の反対意見があったそうです。
結局、シドニーメトロは従来のシステムと決別した全く新しい鉄道路線として建設されました。
既存の鉄道線として既に開通していたチャッツウッド~エピングはシドニーメトロに置き換えられ、この路線の全ての区間で2階建て車両が活躍することはなくなりました。
車両はアルストム製の Alstom Metropolis TS sets
近未来的なデザインです。
VVVFインバーター制御の3扉6両編成、2階建てではありません。
車両はインドにあるアルストムの工場で作製されました。
列車の座席定員は378人、合計定員は1,100人です。
なお、Asetワラタの着席定員は896人です。
シドニーの鉄道としては、初めての無人運転車両、初めての6両固定編成、初めての3扉車、初めてのオールロングシート車です。
チャッツウッドにある発車案内表。
既存のシドニートレインが全ての停車駅を列挙しているなか、シドニーメトロの方は行先と出発時刻のみの案内となっています。
よく見ると、シドニーメトロは案内表示が2つとも同じ内容となっています。
恐らく、現在はシドニーメトロの全ての列車がチャッツウッドから北西に向かって発車していきますが、計画では2024年に南西方向へも
シドニーメトロが延伸されることでチャッツウッドは始発駅から中間駅に変わるため、その準備でこのような状態になっていると思われます。
発車案内表示拡大。
通常シドニートレインズは全ての停車駅を列挙していますが、シドニーメトロは省略されています。
各駅停車しか走らないため、わざわざ途中駅を表示する必要がないためだと考えられます。
プラットホーム上の発車案内表示。
行先と、あと何分で出発するかのみを3列車分表示しています。
チャッツウッドでTsetタンガラとホームを挟んで並ぶシドニーメトロ。
シドニーメトロからシドニートレインズへは対面乗換えが可能です。
なお、チャッツウッド~エピングがシティレールで運行されていた時代は、そのままシドニーセントラルまで直通していました。
チャッツウッド駅を発車するシドニーメトロ
ホームゲートの扉開閉警告ランプが点灯します。
警告ランプが光り、閉まるホームドア。
かなりの高さがあり、飛び越えることは不可能かと思われます。
そのため、ホームからの列車の撮影は非常に厳しいです。
チャッツウッドで並ぶシドニーメトロ。
上りと下りは完全に分離して運用されており、チャッツウッドに到着した列車は一旦引き上げ線に入った後、
折り返してタラウォング行きとして入線します。
引き上げ線で折り返し、再びチャッツウッド駅に入線するシドニーメトロ。
行先表示機。
車両正面上部には白色LEDによる行先表示機が設置されています。
シドニーの鉄道において、初めて白色LEDが採用されました。
車内。
ロングシートが並んでいます。
シドニーの鉄道有史以来、初となるオールロングシート車両です。
扉付近には、3本に分岐したスタンションポールが設置されています。
先頭運転台周り。
無人運転のため、乗務員室は設置されていません。
元々前が見えない車両が多いオーストラリアでは、誰でも自由に前面展望ができる車両はとても珍しい存在です。
過去に通勤列車の乗客に対して前面展望を考慮した車両としては、アデレードの2000形気動車ジャンボ
くらいでしょうか
運転台左側。
このカバーの下に運転機器類が入っているのではないかと思われます。
運転台カバーには、座ったり物を置かないように警告されています。
なんと、ワイパーも設置されています。
このワイパーが動作しているのを見たことが無いのでわかりませんが、このワイパーの稼動範囲がこの小窓だけだとしたら、とても
稼動範囲の狭いワイパーだと思います。
なお、運転台右側の小窓にはワイパーはありません。
非常扉のカバー。
カバーのしたは運転機器ではなく、非常扉操作のハンドルが入っています。
このカバーは斜めになっているので、前面展望を撮影するのに直接カメラを乗せるのには適した構造ではありません。
無人運転のため、非常扉の操作扱いも掲示されています。
車内中程より、先頭方向を望む。
扉は両開き。
扉の上と足元左右のランプが光ります。
扉横には、非常用連絡装置が設置されています。
車掌が乗っていないことが多いので、非常時はこれを使って管理センターと連絡をとります。
扉下金属板にはアルストムの刻印があります。
このように、回り込み指定のタグを記載することで、写真の横にテキスト文字が回り込むように表示することができます。
扉と座席の仕切りは、ドットデザインのついた透明なボードになっています。
仕切りが透明なため、車内が開放的に感じられます。
扉上にある案内表示。
現在の走行地点や日付時刻が表示されます。
列車が進むと水色が灰色に変化し、現在どのあたりを走行しているかが人目でわかるようになっています。
シドニーメトロは2024年に路線長が倍になる予定ですが、この表示では収まりきらなくなるような気がします。
しかし、レイアウトの変更さえプログラムすれば良い話なので、一昔前のライト点滅式の案内表示よりも対応は簡単です。
枕木と平行に、白色LEDによる案内表示機が扉付近に設置されています。
次の停車駅、扉が開く方向、閉まるドアの案内が表示されます。
シドニーメトロにおいて両側の扉が開いている状況はないと思われるので、扉が閉まる案内はあまり
意味がないような気もします。
つり革。
設計上立席定員が多いので、つり革も従来の車両と比較すると多めに設置されています。
車両間に扉は無く、自由に通り抜けることができます。
ホームから見た車内。
パンタグラフはシングルアームです。
シドニーメトロの技術支援をした香港のMTRのロゴが車体に刻印されています。
終点のタラウォングに到着したシドニーメトロ。
タラウォング駅構内
タラウォング駅舎
タラウォング駅改札。
自由通路は設置されていません。
タラウォング駅舎。
近未来的なデザインです。
タラウォング駅改札機
タラウォング駅に入線するチャッツウッドからのシドニーメトロ。
手前の線路は車庫への引込み線です。
タラウォング駅を発車し、チャッツウッドを目指すシドニーメトロ。
ローズヒル~タラウォングを走行するシドニーメトロ。
タラウォング駅に入線するシドニーメトロ。
チャッツウッド駅に入線するシドニーメトロ。
タイミングが合えばシドニートレインズとの並走が見られます。
シドニーメトロのタラウォング~チャッツウッドの全区間4K前面展望映像です。
技術支援をした香港のMTRの雰囲気が漂っています。
シドニーの新しい鉄道としてついに始動したシドニーメトロ。
今後の発展に期待がかかります。
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