2000型気動車
2000 class railcar

2000型気動車はアデレード近郊区間で活躍する一般型気動車です。
2015年に引退しました。

2000型気動車は1979-1980年にComengによって30両が製造されました。
最高速度は140kmですが、営業では90kmに抑えられています。
編成は動力車の2000と付随車の2100があり、
2100+2000 もしくは2100+2000+2100 の2両編成及び3両編成で運用されています。


高い運転台が特徴で、ボーイング777に似ていることから「ジャンボ」の愛称で親しまれているそうです。
このような構造になったのは乗客が座席に腰掛けたまま前方の窓から景色が見えるようにするためだったそうです。
このような思想で設計された車両はオセアニアにおいて大変珍しいことです。
日本でいうところの名鉄パノラマカーに近い存在です。


アデレード駅を発車した2000型気動車
真中が動力車で、屋根の高さが運転台と平行です。
両側は付随車のため運転台を除いて屋根が低くなっています。


3両編成の真中に組み込まれた動力車。
機器が屋根に多く搭載されています。
定員は64人。


付随車。
屋根は運転台部分を除いてフラットになっています。
定員は104人。


2000型気動車の旧塗装。
現在のトランスアデレードは黄色がメインでしたが、かつてはオレンジ色の塗装でした。
3000型気動車も同様のオレンジ色に塗装されていました。


高い運転台と側面窓周りのオレンジ帯は日本の国鉄型特急電車を思わせる雰囲気です。


3000型気動車と並ぶ2000型気動車。
3000型と比べて車両限界が高いため、新たに電化された区間は走行できないそうです。


旧塗装車両の車内。
窓割りに合わせてボックスシートが並んでいます。


新塗装車両の車内。
シートモケットが交換されている他は大きな違いは無さそうです


先頭部分。
最前列の座席は着席しながら前面展望を楽しむことができます。
運転席後部は車椅子スペースとなっています。
扉横にはチケットマシーンが設置されています。


扉操作ボタン。
乗客が扉を開けることができます。


乗客が前面展望を楽しめる設計は後継の3000型気動車にも引き継がれました。


近郊列車が電化され、新たな電車が投入されることを告知するポスター
近郊区間の一部電化後、Adelaide Metro A-City Class 4000が2014年に営業を開始しました。
A-City Class 4000は3両編成の25kv電車で、ポスターのイメージとは異なり、運転席周りは赤く塗装されています。
オーストラリアの電車は前面を黄色に塗装することが多く、異彩を放つ存在となりました。


アデレード駅西側の車庫に並ぶ2000型気動車の旧塗装と新塗装車両。


運転台と妻面の間に幌はなく、乗客は通り抜けができないようです。




アデレード近郊区間の電化拡大によって活躍の場を失ってしまう2000型気動車。
2015年には営業運転を終了する予定となっています。
引退後の姿はこちら


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