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B set ワラタ
waratah Series 2
B setワラタはシドニートレインズが運行する近郊電車です。
A setワラタの追加増備車として導入されました。
シドニー近郊区間を運行しています。
ワラタはニューサウスウェールズの州の花の名。
Bsetワラタは非冷房車のSsetの置き換えを目的として、2018年9月7日から営業運転を開始したシドニートレインズの最新型電車です。
Asetワラタとほぼ同一設計で、Asetの追加増備車となります。
車体は中国のChangchunで製造され、オーストラリアに輸入後Downer Railで組み立てられました
8両1ユニットで41編成が活躍しています。
制御装置は日立製VVVF。最高速度は130km
AsetとBsetを合わせると計626両となり、単一形式の発注数としてはオーストラリア史上最多両数です。
シドニートレインズ(2013年まではシティレール)は近郊の非冷房車Ssetの置き換えのために
Asetワラタを導入しました。(画像上)
当初シティレールは全てのSsetをAsetで置き換える予定でしたが、中距離用Vsetも車両更新を控えており、中距離用
として活躍するもう一つの形式Hsetオスカーを近郊用に転用してSsetを全て置き換え、中距離用は最新型による
単一形式の運行とする方針を打ち出しました。
中距離用を近郊用に転用することはGsetタンガラにて実績がありました。
シティレールが近郊と中・長距離のNSWトレインリンクに分割されることになったため、NSWトレインリンクは中距離電車に対して1形式の
最新型電車のみを保有することは管理上メリットがありました。
Asetは予定通り導入され、Ssetの3分の2を置き換えました。
残りの3分の1は、2019年に導入される中距離用新型電車の玉突きでHsetオスカーが置き換えるはずでした・・・
しかし、最新型車両の最終設計が線路寸法と合わないことが判明、新型中距離電車の導入が一旦見送られました。
なんと、新型中距離電車の最終設計がVsetと車両限界が異なり、同じ線路を運行することが不可能だと判明しました。
これは予想ですが、中距離用電車は旧型のVsetとHsetオスカーの2車種のうち、最新型車両の設計を車両限界の違うHsetオスカー
を参考にしてしまったのではないかと考えられます。
Vsetが走行するブルーマウンテンラインは貨物や長距離列車が走る重要幹線ですが山間部は線路限界が低めのため、電車に限ってはVset
のみで運用されていました。
ブルーマウンテンラインには線路改良の計画がありましたが、計画が実現してからでないと新型車両は走行できないことを意味しています。
線路改良の計画は全く進んでいなかったため、VsetやHsetオスカーを置き換えたり玉突きをするにはかなりの期間を要することになります。
そこで、Ssetの置き換えとして新たにBsetワラタ(画像下)を製造、導入されることとなりました。
画像上:Asetワラタ 顔は天井まで黄色の塗装がされ、少々デコッパチ
画像下:Bsetワラタ 顔はオレンジの塗装に変更、運転席上部は黒にまとめられた
BsetはAsetからカラーリングを変更し、前面がオレンジ色、側面窓周辺にブラックコーティングを施し、
連続窓のようになりました。
側面の連続窓風のブラックコーティングはAsetの時点で設計当初のイメージでは存在していましたが、
結局Asetには実施されませんでした。
(但し、Asetの当初イメージは先頭運転台から側面ドア窓を通り、客室窓まで流れるようなタイプのブラックコーティング)
ちなみにシドニーメトロは当初、車体のイメージカラーがオレンジで、Bsetに近い雰囲気でした。
中間車両も連続窓風のブラックコーティングが施されています。
Bsetは2018年に最初の24編成が導入されたため、初期導入車は画像のようなラッピングが施されました。
乗降口付近。
このあたりはAsetと同一デザインのようです。
車端平屋部分。
車椅子対応のロングシートが並んでいます。
Aset同様に隣の車両に移ることができる貫通扉も備えています。
案内表示機。
AsetのオレンジLEDが、ドットの細かい液晶に変更されました。
AsetのLEDと同じように、2段表示です。
文字の解像度が大きく上がったため、とても読みやすくなりました。
車両間の貫通扉は、Aset同様にボタンによる自動扉です。
車椅子対応座席。
ロングシート3席分を跳ね上げると車椅子を1台停めることができます。
車椅子対応座席には、非常通話装置も設置されています。
車端部からみた車内全体。
2階建て構造のため、車内を見通すことができません。
しかし、車内には死角が発生しないよう、たくさんの監視カメラが設置されています。
それぞれの監視カメラの映像は運転台でリアルタイムで監視することができます。
1階へ降りる階段上部に設置された案内表示機。
Asetにはありませんが、Bsetでは新たに追加されました。
主に広告が流れます。
2階客室。
Asetと同様に、3+2の転換クロスシートが並んでいます。
階段上には、案内表示機が設置されています。
ここでも、AsetのLEDに対してBsetは液晶に変更されています。
2階・1階を結ぶ階段。
階段は乗降デッキに近づくと幅が広がり、スムーズな乗降を促しています。
始まりと終わりで幅の違う階段。
シドニーの2階建て電車ではお馴染み、階段横の一人掛け固定クロスシート
1階客室。
Asetと同様に、3+2の転換クロスシートが並んでいます。
階段上には、案内表示機が設置されています。
ここでも、AsetのLEDに対してBsetは液晶に変更されています。
案内表示機拡大。
2段表示になっており、停車駅一覧がスクロールされます。
右側に監視カメラがあります。
運転室後部デッキ。
一人掛けの座席が1つだけ設置されています。
Bsetも他の車両と同じく、前面展望はできません。
最初に導入されたBset24編成に張られたステッカー。
新しいワラタに乗っていることをPRしています。
各ドア足元にはスポットライトが設置されており、扉が開くと点灯します。
サーキュラキー駅に入線するBsetワラタ。
サーキュラキーを発車するBsetワラタ 特別装飾車
シドニー近郊輸送の新しい顔となったオレンジフェイスのBsetワラタ。
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